0016_外国人材が辞めない会社に共通する『特別ではない習慣』

人が会社に残る理由を考える

「どうすれば外国人材は定着するのでしょうか」

外国人材の受入れ企業様やご検討中の企業様からいただく相談の中でも、特に多いテーマの一つです。

定着というと、福利厚生や研修制度、評価制度などを思い浮かべるかもしれません。

もちろん、それらは大切です。

しかし、長く働き続けている外国人材に話を聞くと、意外にも制度の話はあまり出てきません。

代わりに語られるのは、

「みんなが優しくしてくれた」
「困ったときに話を聞いてくれた」
「会社に居場所があった」

そんな何気ない出来事です。

人が会社を好きになる理由は、制度だけではありません。

日々の関わりの積み重ねが、「この会社で働き続けたい」という気持ちを育てていきます。

今回は、外国人材が辞めない会社に共通する『特別ではない習慣』をご紹介します。


名前で呼ぶ

外国人材の定着について考えるとき、多くの企業は制度や待遇に目を向けます。

しかし、人が職場に居場所を感じるきっかけは、もっと小さなところにあります。

その一つが、「名前で呼ばれること」です。

私たちは無意識のうちに、

「実習生さん」

「外国人の子」

「特定技能のスタッフ」

と呼んでしまうことがあります。

ですが、その人には生まれた時から大切に呼ばれてきた名前があります。

遠く離れた母国を出て、日本で新しい生活を始めた人にとって、自分の名前を覚えてもらうことは想像以上にうれしいことです。

それは単なる呼び方ではありません。

「あなたを一人の人として見ています」

というメッセージだからです。

人は評価される前に、まず認識されたいものです。

定着している会社ほど、一人ひとりを「人」として見ているように感じます。


毎日あいさつをする

職場におけるあいさつは当たり前のことです。

だからこそ、その価値を見落としがちなのかもしれません。

外国人材にとって、日本での仕事は想像以上に緊張の連続です。

言葉の違い。

文化の違い。

仕事の進め方の違い。

毎日が新しい挑戦の連続です。

そんな中で、

「おはようございます」

「お疲れさまでした」

という何気ない声掛けが安心材料になります。

特に定着している職場では、あいさつが単なる業務連絡ではありません。

そこには、

「今日も来てくれてありがとう」

という気持ちが込められています。

人は自分を受け入れてくれる場所に安心を感じます。

その第一歩が、毎日のあいさつなのです。


話を聞く時間を作る

離職の理由は、退職届が出された日に突然生まれるわけではありません。

その多くは、ずっと前から始まっています。

仕事で失敗した日。

言いたいことをうまく伝えられなかった日。

家族が恋しくなった日。

誰にも相談できず、一人で抱え込んでいた悩みが積み重なり、やがて退職という選択につながることがあります。

だからこそ大切なのは、

「困ったら相談してください」

ではなく、

「最近どうですか?」

とこちらから声を掛けることです。

話を聞くことは問題解決ではありません。

まずは安心して話せる相手になることです。

人は話を聞いてくれる人がいる場所には、残ろうとします。


小さな成長を認める

認められることで前向きな気持ちになり、自信を持つことができます。

日本語を覚えること。

仕事を覚えること。

新しい文化で生活すること。

ところが成長は少しずつ進むため、周囲には見えにくいものです。

昨日より上手になった日本語。

半年前にはできなかった仕事。

その変化に気づき、

「上手になったね」

「できることが増えたね」

と伝えるだけで、その人の自信につながります。

人は評価だけで成長するわけではありません。

一つ一つ気付いて声掛けをする。

その積み重ねが職場への愛着につながっていきます。


失敗を責めるより、挑戦を認める

外国人材は毎日、小さな挑戦を積み重ねています。

慣れない言葉。

慣れない仕事。

慣れない環境。

外国人材にとって、日本で働くこと自体が大きな挑戦です。

当然、失敗することもあります。

大切なのは、その時の周囲の反応です。

失敗だけが記憶に残る職場では、人は萎縮します。

一方で、

「次はこうしてみよう」

「挑戦したことは良かったよ」

と言ってもらえる職場では、人は成長します。

定着率が高い会社には、失敗を許容する空気があります。

完璧さよりも挑戦そのものを認める文化が、人を育てるのです。


一緒に笑える時間をつくる

人とのつながりもまた、大切な理由の一つです。

人は仕事だけで会社に残るわけではありません。

休憩時間の雑談。

誕生日のお祝い。

何気ない冗談。

仕事の合間の笑い声。

そうした時間の積み重ねが、「仲間」という感覚を生みます。

外国人材が定着している企業では、仕事以外の会話が自然に生まれています。

特別なイベントを用意する必要はありません。

一緒に笑える時間があること。

それだけで職場は少し温かくなります。


まとめ

特別な制度より大切なこと

免責
※本記事は執筆時点で公表されている法令、制度、行政機関等の情報をもとに作成しています。制度内容や運用は変更される場合がありますので、最新情報は出入国在留管理庁、厚生労働省その他関係機関の公表情報をご確認ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件に対する法的助言、行政手続きの代理、その他専門的判断を提供するものではありません。実際の手続きや制度運用にあたっては、行政書士、社会保険労務士その他の専門家へご相談ください。