はじめに
「特定技能制度、うちの業種は対象だし、導入ステップもわかった。でも、実際にどうやって外国人材を採用するの?」
そんな疑問にお応えするのが今回のテーマ。
特定技能外国人の採用には、試験制度・在留資格の取得・送り出し国との協定など、いくつかのルートと条件があります。
今回は、採用方法をステップごとに整理して、初めての企業でも迷わず進められるように解説します。
採用方法
特定技能制度では、外国人技能実習制度でいう監理団体のような組織は設けておらず、受入れ機関(企業)は直接採用活動を行うか、国内外の職業紹介機関を活用し、採用活動を行うことになります。その一つに弊社もあります。
国内での募集であれば、ハローワーク等を通じて採用することも可能です。
また、出入国在留管理庁では、各省庁や地方自治体、外国政府等が主催する特定技能に関するイベントの情報について、出入国在留管理庁HP及び特定技能総合支援サイトに随時掲載しています。
とは言っても、自分で直接というのはなかなか難しく、登録支援機関からの紹介や弊社のような多角的に情報や関係性をもっている組織から紹介を受けるのが一般的でしょう。
在留資格取得ルートは大きく分けて2つ!
在留資格取得ルート | 対象者 | 特徴 |
---|---|---|
① 試験合格者ルート | 海外・国内の試験合格者 | 技能試験・日本語試験に合格した人材を採用 |
② 技能実習修了者ルート | 技能実習2号を良好に修了した者 | 適合職種であれば試験免除で特定技能1号に移行可能 |
① 試験合格者ルート
特定技能制度では、対象業種ごとに技能試験と日本語試験が定められています。
これらに合格した外国人材は、特定技能1号の在留資格を申請することができます。
試験の種類
- 技能試験:業種ごとに異なる。各省庁や業界団体が実施。
- 日本語試験:以下のいずれかに合格が必要
日本語能力試験(JLPT)N4以上
国際交流基金日本語基礎テスト
試験の実施予定は、出入国在留管理庁の公式サイトで随時更新されています。
試験合格者の採用方法
- 海外で試験に合格した人材を、送り出し機関経由で採用
- 国内在住の合格者を、紹介会社や求人媒体を通じて採用
② 技能実習修了者ルート
技能実習2号を良好に修了した外国人材は、試験を受けずに特定技能1号へ移行できます。
移行条件
- 技能実習2号を修了していること
- 修了評価が「良好」であること
- 同一業種・職種での就労を希望していること
このルートは、すでに日本で働いた経験がある人材なので、職場への適応もスムーズです。
在留資格「特定技能1号」の取得
採用が決まったら、次は在留資格の申請です。
申請は企業が行い、出入国在留管理庁に提出します。
主な申請書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 支援計画書(登録支援機関が作成)
- 試験合格証明書または技能実習修了証明書
- 住居・生活支援に関する書類
最新の様式は、出入国在留管理庁の「特定技能制度」ページで確認できます。
送り出し国との協定と注意点
特定技能制度では、外国人材の送り出しに関して、**政府間協定(MOC)**が結ばれている国があります。
協定締結国(2025年時点)
- フィリピン
- ベトナム
- インドネシア
- ミャンマー
- ネパール
- モンゴル
- スリランカ
- カンボジア
- バングラデシュ
- ウズベキスタン
- パキスタン
- タイ
- その他、順次追加
協定国からの採用の流れ
- 送り出し機関が政府に登録されているか確認
- 求人情報を送り出し機関に提供
- 候補者の選定・面接
- 雇用契約・在留資格申請
協定国以外からの採用も可能ですが、手続きが複雑になる場合があります。
よくあるつまずきポイント
- 試験合格証明書の不備
- 技能実習修了評価が「良好」でない
- 送り出し機関が未登録
- 雇用契約と実務内容の不一致
- 支援計画の内容が不十分
まとめ
特定技能外国人の採用には、試験合格者ルートと技能実習修了者ルートの2つがあります。
それぞれに必要な条件や手続きがあるので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
また、送り出し国との協定や在留資格申請の流れも理解しておくことで、スムーズな採用が可能になります。
次回は、登録支援機関とは?選び方と活用のポイントについて、実務に役立つ情報をお届けします!